じょうパン

羅生門のじょうパンのレビュー・感想・評価

羅生門(1950年製作の映画)
3.7
公開された当時や昔に観たらもっとハマっただろうなと思いました。きっかけは是枝監督の「怪物」を観て羅生門構造と言っている人が多くて気になって観ました。

◻️脚本
確かに怪物は羅生門が基盤になっていましたが、やっぱり怪物はそれを超えてきていると個人的に感じるので脚本の部分では見劣りするなと感じました。
また結果的に4人の証言の真実は語られなかった所に個人的にスッキリして終わりたいなと感じてしまいました。ただそうしないのは人間の愚かさというか自分自身でも嘘をつく、それでも人間というのは信じる価値があり、面白い生き物なんだというのがメッセージだと思ったので、そういう意味だったとしたらこの脚本は面白かったです。
また杣売も嘘をついているのは思わなかったのでその展開も面白かったです。

◻️映像&照明
構図は今観ても全く見劣りしないと思いました。全てのカットに意味があるのが伝わってきました。とくに盗賊の股下から侍を写すショットや羅生門の柱で境目を作りパンしてそれぞれ人物の空間を作り上げているのがグッときました。
また照明では明暗がくっきりとしていて、どうやって照明を当てたのか気になるくらい見事でした。

◻️まとめ
やっぱり映画という道を通る上で、黒澤明監督は外せないので観る価値は十分にあるなと感じました。

2024 14本目
じょうパン

じょうパン