Jun426

羅生門のJun426のレビュー・感想・評価

羅生門(1950年製作の映画)
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殺人事件の証言が、4人とも全て異なっている。意図的にウソをついているのか、それとも本人にはそれを真実だと信じて疑わない、本人の目にはそういう風に見えたのかもしれない。記憶というのは曖昧で、過去というものは主観的で、絶対的に個人が勝手に意味づけを行った結果の代物に過ぎない。
確かに人間は狡猾で、意地汚く、てめえのためなら何でもやってしまう生き物だと考えることもできる。しかし一方で、人間を信じて生きていくこともできるはず。おそらく後者の生き方を選ぶのは簡単なことではなく、ともすれば易きに前者に流れてしまいがち。わたしは後者を選びたい。
やはり昔の映画は、男の覚悟とか、女の落とし前とか、生き様に憧れを覚えることが多い。日々の暮らしの中でそれらを意識して発揮する場面というのはそう多くはないが、心の何処かにいつも持ち合わせながら暮らしていきたい。
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