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羅生門のnafのレビュー・感想・評価

羅生門(1950年製作の映画)
3.9
生まれて初めて、黒澤作品を見てみた。
白黒映像から湧き出てくる凄みが半端じゃない。その「目が離せない、台詞も1つも聞き逃がせない、先の展開が気になる」感はそこらの洋画よりもはるかに勝っている。役者の演技の迫力も、カメラアングルやら構図のこだわりも凄い。これが日本映画の真髄なのか。
羅生門というから芥川の「羅生門」原作なのかと思ったら、「藪の中」のほうをベースにしているそうな。とある山中の殺人事件が、証言者によって証言がまるっきり食い違うというミステリー。ただ真相は恐ろしくみっともないもので、結局はそれぞれの証言者(死人までも!)が体裁を守るために作り話をしていただけという人間のエゴが浮き彫りになる話でした。
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