ちゃりお

羅生門のちゃりおのレビュー・感想・評価

羅生門(1950年製作の映画)
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おぼろげな記憶を元に死体から髪の毛を奪う老婆を思い浮かべたが、どうやら違うらしい。僕がこの映画について鑑賞前に知ってることは監督が黒澤明であるということだけらしかった。

白黒映画ですから雨が墨のように見えてとても綺麗です。泥水がどうも綺麗な清水に見えてくる。

現代の邦画も洋画とは一目見て異なりますが、白黒映画の時代でも邦画の独特な雰囲気は強烈に映ります。

事実と虚偽、善と悪、男と女。対立するような観念はこの映画では混ざり合っています。清濁併せ呑むというと聞こえはいいですが、そんな良いものじゃありません。しかし、この映画は簡単には説明できない複雑な現実というものをよく描けているように思えてなりません