剣々

羅生門の剣々のレビュー・感想・評価

羅生門(1950年製作の映画)
4.0
とある男の死と人間の本性

大雨の日、下人は雨宿りで訪れた羅生門で頭を抱えた男と僧に出会う
男は下人に検非違使の役所で見聞きしたとある事件について語り出す
それは証言に来たもの皆話が食い違う不可思議な話だった……

何気に初黒澤作品の鑑賞です
1つの事件を色んな角度で見せる手法が面白いですね
ボレロ調の音楽、白黒なのに美しく力強くみえる自然が印象的でした
また、三船敏郎をはじめとした役者陣の演技合戦もお見事です

一つの事件を盗賊多襄丸、殺された男の妻、殺された男、それぞれが自分の立場で事件について語るわけですが異なる話ばかり出てきます
巫女を通して死んだ被害者が証言するのは、やりすぎな気もしますが笑
各話を回想として描きながら物語は進行していくので、これはどういうことなのだ?と気になって見入ってしまいました

そして終盤浮き彫りになるのが、この作品が描いている人間の弱さや汚い部分!
ガッツリ伝わるメッセージだったと感じました

時代を感じるものの、だからこそ見応えのある作品でした!!
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