FREDDY

オン・ザ・ミルキー・ロードのFREDDYのネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

名匠エミール・クストリッツアが9年ぶりにメガホンをとり、モニカ・ベルッチをヒロインに迎えて描いた人間ドラマ作品ということで。印象としては、コスタを演じたエミール・クストリッツァやミレナを演じたスロボダ・ミチャロヴィッチは魅力的で心惹かれるものを感じましたし、花嫁を演じたモニカ・ベルッチもまた目に残るものがあり、それぞれが演じたキャラクターも個性的で愛らしく、彼らが織り成す何とも言えないユニークな掛け合いや、どこか懐かしい"無声映画"のようなコメディはじわりとくる面白さがある。そして、兵士たちにミルクを届ける為に毎日傘で銃弾を交わしながらロバに乗り前線を渡っているコスタと、戦争に巻き込まれ難民キャンプにいたところ、プレドラグ・"ミキ"・マノイロヴィッチが演じるジャガの結婚相手としてミレナに見出され村にやってきた花嫁を軸に描かれる物語は、隣国と戦時中のとある村が舞台となり、"戦争"という重たいテーマが用いられながらも、小気味の良い音楽と個性豊かな登場人物、温かみのある映像などといったものが相まって作り出されたエミール・クストリッツア監督が放つ不思議な世界観はとても魅力的で、ストーリー展開も先が読めないほど奇想天外で最後まで目が離せずにいましたし、もしかしたら人を選ぶ作品なのかもしれないが、個人的にはとても好きな映画ですね。"自ら豚の血を浴びたガチョウが全身に集ったハエを食す"冒頭のシーンや"雨漏りを鍋で受け止めるコスタ"など、未だ印象強く残る場面が多々ありますし、後半に映し出される愛の逃避行は過激な描写も含まれるが心に伝わるものがある。観る価値はあるのでは。