黄飛鴻といえば酔拳を除くと高潔な人物として描かれていたが本作の黄飛鴻は一味違う
殺しもするし売春宿にも行くし博打もする
更に香港映画得意の潜入捜査要素もカンフー映画に取り込んでいる
まずこの既存の黄飛鴻像を青年期とはいえ壊したのは凄いと思った
で、このアイデア一発で終わってないのも流石
上記を読むと悪そうに見えるかもしれないけど全編通してみるとちゃんと黄飛鴻が真の英雄になるまでの成長期になっていてドラマの演出力に唸らされた
ラストもただのハッピーエンドで終わらず洪金寶が苦い言葉を残して終わるのもいい(黄飛鴻は今後どうするのか…？という問題を提起した天地黎明っぽい
ちゃんと黄飛鴻が悪に正面から立ち向かう時にはお馴染み将軍令が流れ黒い服から白い服に変わってたりするのも芸が細かい
敢えてストーリー面での決定を挙げるなら黄飛鴻が洪金寶らに立ち向かう所からの展開が早すぎる感が否めない所かな
とはいえこれでも131分なんでこれ以上伸ばせないということでの苦肉の策なんだろうけど…
もっと問題なのはカンフー
過去に黄飛鴻を演じてきたリンチェイやリューチャーフィーなどに比べるとエディポンは線が細いことは否めない
実際彼のアクションシーンになるとやたら映像編集やスローが多用されているような気がするし無影脚もあまり迫力がなかったのが残念
洪金寶やマックスチャンとの対決もそこそこ止まり
カンフーに関しては正直イマイチだけどストーリー面では過去の名作に負けず劣らずの傑作
オススメ
