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ビーチフラッグのnobuseのネタバレレビュー・内容・結末

ビーチフラッグ(2014年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

多くを語らず、暗喩と、さりげない描写の丁寧な積み重ねによって、イランの女性が置かれている状況と、そのリアルな心情が伝わってくる良作。

男性優位の社会の中で抑圧されつつも、懸命にそれぞれの生き方を掴もうとする姿が、「ビーチフラッグ」の競技でフラッグを目掛けて走る姿に重ねられている。
優勝のフラッグを手にすることができるのは一人だが、その「勝利」は分かち合うことができるもの、社会を変えていく一歩に成り得るものなのだ、と感じた。

また、冒頭のプールのシーンは、初めは「?」だったが、最後まで見ると納得がいく。冒頭の真っ暗で底なしのプールの息苦しいイメージと、最後のシーンでどこまでも広がっていく海のイメージが対照的だった。

少女たちの前向きな明るさに、ささやかだが、確かな勇気をもらえる。
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