人より少し大人びた少女は、あの日から成長を止めた。
親子ほど歳の離れていた彼は、13歳の私を本当に愛していたのだろうか。
あれは純愛だったのか、それとも…。
オリヴィエ賞を獲ったデヴィッド・ハロワーの戯曲の映画化。
めちゃくちゃ好みだったのでやはり私は舞台寄りの作品が好きなんだなぁ。
彼との未来を夢みた少女時代。
風に揺れる木々にざわつく心。
陽が漏れるカーテンから漂う自由への憧れ。
そんな過去に囚われ、彼に真実を執拗に迫るウーナ。
過去を消化しないと、いつまでも鏡の中に閉じ込められた少女のまま。娘の部屋の鏡に映るウーナは、寂しげで不安そうでとても痛々しかった。
人によってかなり解釈は違うだろうけど、どんな事情があっても二度も相手を置き去りにする男はどうかと思うし、ラストもかなり黒に近いグレーかな…
でもウーナを思うと、性癖を越えた愛はあったと信じたくなりました。