モモモ

SING/シング:ネクストステージのモモモのレビュー・感想・評価

3.8
前作は字幕版で、今作は試写会だったので吹き替え版で。吹き替え版ってこんな声なのか…と最初こそ戸惑ったが、10分も経てば何も気にならず。
エンドロールで「へぇ、この歌手って演技も上手いんだな」と感心する吹き替え作品だった。
前作でもう描く事は描き切っただろ、の続編は「ハリウッド映画のデスマーチ製作」メタファーの胃キリキリ映画。
ハッタリで掴んだ企画なので「内容は決まっていない」のに「公開日は決まっている」時点で地獄。スタッフの前でハッタリをかますが、そんなハッタリは見透かされていて更なる赤っ恥地獄。出資者には何も言えず、身内贔屓のキャスティングを強要され、それなのに「この人ありき」なキャスティングは制作と同時進行で。デスマーチ、ここに極まれり。
しかし「ドナルド・トランプ」を暗喩するキャラクターもここまでくると食傷気味ですね。
「狼」の強き男。パワハラ、モラハラ、身内贔屓の果てにちゃんと「殺す」行動に出たのはよかったです。もう擁護できない悪党。だってコアラをマジで殺そうとするんだもん。悪党です。
そんなこんなを乗り越えて、妻が死んだ孤独や、高所恐怖症や、淡い初恋はヌルヌルと乗り越えて、デリカシーのないナルシスト俳優には特にお灸を据えず、ゴリラがパワーで解決して、セッションの様なハラスメントダンサー師匠とも拳で仲直り。そんな感じで解決していいのかよ、なんてツッコミを入れさせない早業でフィニッシュ。
狼の娘さんも幸せそうな所に落ち着いたし、まあ、これでいいのだ。
モモモ

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