しゅん

彼女がその名を知らない鳥たちのしゅんのレビュー・感想・評価

3.3
顔も近いがものとの距離がものすごく近い。ラベルの剥がれた小銭だらけの貯金箱、干された軍手、焼き肉。複数の男に舐められる蒼井優の足は家庭の団らんには不自然な豚足を呼び起こし、霊園の張り紙が結末を用意する。部屋にかかったジャラジャラ暖簾の音がやけに耳に残る。もの、もの、ものに突き動かされる男女たちの物語。エンディングはあまりに作り物めいていて安易だし、白ジャケ白短パンのゴングロ竹ノ内は本気なのかギャグなのか区別つかないし、邦画の一傾向であるドロドロの中の本当の愛みたいな話にも正直乗れないのだが、1カットごとに別の生き物になる蒼井優の表情は凄まじいものがあって凄まじかった。阿部サダヲって造形だけで考えてもイケメンだよな。女性向けAVの男優っぽさ溢れる松坂桃李も好演です。
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