ユキランド

彼女がその名を知らない鳥たちのユキランドのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

どうしてこの映画をこんなに好きになったのかわからないくらい大好きだ。陰鬱な感じも登場人物がみんな最低なところも共感度ゼロなところもたまらない。身勝手でだらしなくて嫌な女代表の十和子も、蒼井優が演じることでたまらなく魅力的に見えてくる。暴力振るわれても騙されても見くびられても顔のいい男はかっこいいからずるい。ベッドシーンも満載。十和子はじんじに依存して生きているが、じんじは十和子のどこをあんなに愛していたんだろうか。自分がいないと消えてしまいそうな弱さか、単純な美しさか。全てを犠牲にしてまで十和子を愛し続ける究極の愛。生まれ変わって十和子の子どもになりたい、とかちょっと気持ち悪いし歪んでいる。それでも純愛に思えてしまう。登場人物みんなどうしようもないけど人間臭くて汚らしくて。貧乏じみた食堂でのシーンとかすごくリアルでいい。ラストシーンの描写も詩的で好き。この映画を好きだという人と出会ってみたい。