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海辺の生と死のkottanのレビュー・感想・評価

海辺の生と死(2017年製作の映画)
3.5
島尾敏雄と島尾ミホ夫婦の実話、著作に基づく。晩年の島尾ミホさんのインタビューを聞く機会があり興味を持った本作。第二次世界大戦末期の加計呂麻島が舞台である。本編中に音楽は流れない。
風や波の音、鳥の声など自然や生活音だけが静かに流れる。たまに聞こえる爆撃音が戦時下であることを意識させる。
奇跡的な出会いと爆発的な感情の高まりを描いている筈だ、なのに全然そう見えない。美しい自然や満島ひかりが歌うシマ唄。静かで言葉少ない2人。それでも湧き上がる感情を伝えることはできるはず。なのにただ2人を如何に美しく素晴らしく描くことのみに拘り過ぎたのではと思う。少なくとも島尾ミホさんのインタビューから受けた印象とは余りにも違って見えた。
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