原作はBLコミック。門外漢なのでイメージ先行で話を進めますが、BL要素薄くね?
ビジュアルもまあそうですが、それ以上に2人のミツオの関係性を示すような描写に乏しく、その場その場の情緒に頼ってストーリーが転がっていきます。
《ある夜、ミツオの元に「女を殺した、今すぐに来い」と電話が入る。かけてきたのはミツオ。
学生時代に主従関係を結ばされていた、もうひとりのミツオだった…》
監督の作風とも言える実在感に欠ける舞台立てが、今作に関しては少なからずマッチしていて、うつろな2人の纏う空気に最初は興味を惹かれますが、心情の移り変わりが一切なく、というかずっと同じ波間を漂っているので、本当にただうつろな話だったのかなってなっちゃいますね。それともこの純で不変の関係性がBL的なのか…
それなりに暴力的な内容の割に、ホモフォビアな視点によって彼らが危険に晒されることがほぼないので、ものすごくクローズな印象を受けます。
と同時に、やはりこの閉じた関係性をこそ描いてたのかと思ったり…
何か同じとこグルグルしてますね、ちょっと楽しみ方を掴みあぐねたまま終わっちゃったな。
一ノ瀬ワタルの暴力は理不尽すぎてちょっと笑ってしまう。