キッチー

バトル・オブ・ザ・セクシーズのキッチーのレビュー・感想・評価

3.9
1973年ヒューストンのアストロドームで行われた、The Battle Of The Sexes (性別間の戦い)と銘打ったテニスの男女対抗試合。この試合も含め、女子テニスとウーマンリブの象徴的な存在となったキング夫人ことビリー・ジーン・キングに焦点をあてた伝記映画。

キング夫人をエマ・ストーン、対戦したボビー・リッグスをスティーブ・カレルが熱演。2人とも実在する本人たちになりきっていて面白い。

賭け事が大好きなリッグスが男女対抗試合を思いつき、その年の賞金女王マーガレット・コート(ジェシカ・マクナミー)をあっさりと破った後、男女の賞金格差を不服として1970年に女子テニス協会を設立したキング夫人を挑発、キングVSリッグスの試合が実現することになる。

しかし試合に至るまでのリッグスの挑発は酷い。ホントにあったことなので仕方ないのですが、お遊びが過ぎる感じで、相手を侮辱しすぎだった。もっとも、見てるだけならあまりのお調子者ぶりに笑ってしまうのだが。一方、キング夫人については、ストイックなところや個人的な問題(スキャンダル)、メンタルにまで踏み込んでいて興味深かった。彼女が試合後、控え室で独り泣くシーンはグッとくる。

コートに戻る彼女に女子テニス協会の衣装担当?の男性(アラン・カミング)が言った言葉
Someday. . . we will be free to be who we are . . . and love who we love .
(いつか僕らはありのままでいられる、自由に人を愛せる)
. . . アランに言わせるところが心憎い。余計に胸に響きました。

映画はテニスのゲームシーンも入れながら、テンポ良く進行していきますが、音楽も効果的。大いに盛り上がる展開で良かったです。
キッチー

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