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バトル・オブ・ザ・セクシーズのmitakosamaのレビュー・感想・評価

3.9
これまた素晴らしいフェミニズム映画。しかも実話だということがオドロキ!テニスのこと良く知らないけど、こんな人が過去に居て、こんなビッグイベントがあったのだと感嘆したわ。

70年代アメリカの女子テニスプレイヤー・ビリージーンキング(エマストーン)が男女のギャラ格差に対抗し、女子の独立組織を立ち上げる所から物語が始まる。
従来のテニス業界の男尊女卑も甚だしく、ウーマンリブを志すキング婦人は苛立を隠せない。

もう1人の主役、シニアの強豪ボビーリッグス(スティーヴカレル)は根っからのギャンブラー。饒舌で周りを巻き込みデカく金儲けを狙う。
リッグスは一流のパフォーマーなので、キング婦人を挑発する為には女性蔑視な態度も演じてみせる。でも根っからの差別主義者ではないのが憎めない。

あくまでキング婦人の男女同権運動の敵対者は別なのだが、それでもリッグスとの男女対決に挑む。これがなかなかの大イベント。

映画では語られないが、調べたら女子テニス協会は今も現存する組織なんだって。へぇ〜〜〜。
てっきり僕の当初の予想として“立ち上げた協会が金銭的に立ち行かなくなり金銭面で色物マッチに挑む”。そんな展開になるのだと勝手にイメージしてた。(プロ柔道が失敗し金の為に力道山と戦った木村雅彦のような)
実際は女子テニス協会も無事で安心したわ。

キング婦人の功績も偉大なのだが、ヒール役を演じ、歴史に敗者として名を刻んだリッグスも偉大なのだと思う。
それにキング婦人のレズビアンとしての側面も隠す事無く表現した。キング婦人も公表しているそうだし。当時の旦那さんも理解があってすごい立派な人なのもポイント。
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