KAJI7

テオレマのKAJI7のレビュー・感想・評価

テオレマ(1968年製作の映画)
4.4
とかくパゾリーニは「到来」を描写したいんだなというのが丸分かりになってしまう本作品。
特にこの『テオレマ』なんかはそんな一連のテーマの作品の中でもかなり分かりやすく、且つ面白い…!
特に前半と後半のメリハリなんかは対照的で、「何かが訪れる」恐ろしさと、「何かが去り行く」恐ろしさの二つをはっきりと区別して描く事で、「何者も訪れない」ことの恐ろしさの輪郭をなぞっているような印象を受けます。
それこそイタリアの所謂ネオレアリズモの潮流はこの「何者も訪れない」という主題をこねくり回してきました。その観点から言うと本作や『豚小屋』、『アポロンの地獄』なんかはパルプ•フィクション的なシナリオ捌きをしているのかなと思えます。

まあ何にせよ凄い映画には違いないです!
⭐︎は4.4!
KAJI7

KAJI7