オリヴィエ版、ブラナー版、ヒドルストン版と時代が下るごとに戦場が悲惨になっていく。ヒドルストン版では反戦色の濃いブラナー版さえやらなかった「捕虜の殺害」シーンまで(かなり抑えてではあるが)映像化されている。
このバージョンではヨーク公を黒人の俳優さんが演じていて、それだけに彼が先陣を買って出てヘンリーがそれを認める瞬間はYeah! 女王陛下万歳! となる。
あとモンジョワが良かったな。最初はヘンリーを馬鹿にして馬の上から話しかけていた彼が、顔についた泥も拭わず、折り目正しく対応するヘンリーの言葉に耳を傾けるうちに、ヘンリーに「ほれて」いく演出はすごく良かった。
コーラス役はずっとボイスオーバーなのだが最後に「こいつだったのか」と分かる仕掛けになっている。