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羊と鋼の森の62355cinema5のレビュー・感想・評価

羊と鋼の森(2018年製作の映画)
3.9

原作未読
少し原作に興味が湧きましたよ。

高校3年生の外村は、高校の体育館にあるピアノの調律にやって来た調律師・板鳥と出会うことで 、調律師の道へと踏み込んでいく。
調律師養成の専門学校を卒業した外村は、故郷の北海道で新米調律師として働き始めるが、一人前の調律師になるための試練が彼を待ち受けていた。

ピアノについては門外漢だったので、ピアノの音がなる仕組みの説明で、タイトルにある「羊と鋼」の意味が分かりました。
羊毛のフェルトと鋼の弦が、あのピアノの響きを創り出していたとは...
北海道の雄大な自然を舞台に、ピアノの戦慄が心にしみ込んでくる来るようでした。
(吉野の森も良いけど、北海道の森も良いですね、笑)

普段決して知ることのない調律師の仕事の大変さを知り、音楽の創造を陰から支える彼らの仕事ぶりに感服しました(音楽の創造は他の動物にはできませんから)。

調律師を演じた役者さんたちも、しっかりと役に入りきっていた印象です。
山﨑くんも「斉木楠雄のΨ難」を観た時、「ありゃ〜」と思ったんですが、本作では役作りした跡が伺えました。

そして三浦友和さんは流石の風格ですね。
詩人 原民喜の詩の一節*を語る様子に聞き惚れてしまいました。
下記に引用しています。

光石さんや鈴木さんで脇がしっかりと固まり、さらに美しい音楽にも彩られ、とにかく心に響く作品でした。

また、姉妹を演じた二人が何となく似ているなと思ったら、実際の姉妹でした。
(エンドクレジットで知りました)。
ピアノの演奏も吹き替えなしで、ご本人が演奏してたんでしょうか。

この作品は、今年の邦画MYベスト10にはいる作品だと思います。

※原民喜 「沙漠の花」より
「明るく静かに澄んで懐かしい文体。
少しは甘えているようでありながら、きびしく深いものを堪えている文体。
夢のように美しいが、現実のようにたしかな文体」
とても印象に残っていたのでネットで調べました。ご参考までに。
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