ルサチマ

Back and Forth(英題)のルサチマのレビュー・感想・評価

Back and Forth(英題)(1969年製作の映画)
4.7
現在と過去を行き来する相互関係について真摯に向き合った撮影方法だと思う。アケルマンも明らかにこの手法から短編を撮っていたけど、現在と過去の往復の運動がスタンダードサイズのレンズによって速度を高めつつ、それによって画面を見ている自分自身の目線が現在からひたすら遅れ続けてしまうこと(早すぎる、遅すぎる、)をフィクションの手法を取り入れて描いたこの映画には到底及ばない。ジャンプカットを使用することなく、ワンカットのパンの中でジャンプカットのように見せてしまう。こんな馬鹿げた見せ方だってできてしまうのが映画の面白いとこだ。スノウの映画は実験映画としてではなく、劇映画とも実験映画とも異なる次元の破壊のパワーに溢れていて、シネフィル的にもサブカル的にもなりきれない中途半端な自分にとって凄く嬉しかった。RIP
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