DeeCo

メアリーの総てのDeeCoのレビュー・感想・評価

メアリーの総て(2017年製作の映画)
3.6
『蘇生として』

小説「フランケンシュタイン」の作家としての歩みが描かれている。
メアリーもよく知らなかったし、また「フランケンシュタイン」の小説も読んだことがない自分。

それでも、この映画では、素晴らしいメッセージ性が感じられた。

メアリーがまだ小説家としてのデビューするまでの道のりがストーリーとして展開していく。

怪奇小説が好きで、文字を断片的に書き出すことに夢中になるメアリー。
そんな時、天才的な詩人と言われるパーシーとの恋により、小説家としての道に輪郭が生まれ出す。

しかし、その恋沙汰により、苦渋の彩りとなってメアリーの葛藤の日々となる。

自由な恋。自由な愛。

その断言的であり、ごく曖昧模糊の価値観の断片により、メアリーの胸中にうずくまる独創的である小説家としの根っこが肥大化していく。

自分の選択が、より独創的な自分を構築していく。
この生き方は、とても勇気があり、傷を背負っていく生き方をより強固に覚悟の姿勢として貫いていく。

カエルの実験に貫かれた神秘的な宇宙。
そして、辛辣な瓦礫としての体験となる我が子への死。

それが、すべて文才への宝庫的な断片となり、傑作を生み出したメアリー。
DeeCo

DeeCo