さすらい農場

メアリーの総てのさすらい農場のレビュー・感想・評価

メアリーの総て(2017年製作の映画)
4.0
19世紀末「フランケンシュタイン」を執筆した作家は、20歳の女性だった。
作者メアリー・シェリーは「SFの創始者」と称される大変なお方。
彼女の人生から「世紀の名作」誕生の秘密が明かされます。
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何故、俺を創った?
俺は、世界の輝きから取り残された
孤独と惨めさが俺を悪に変えてしまった
もし、少しの幸せでも味わう事が出来たなら
俺は善の心を取り戻せるというのに
〈フランケンシュタイン : 創造物の独白〉
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捨てられた怒りと悲しみ
疎外される事で生まれた憎悪
孤独と絶望から生まれた[怪物]の苦悩
タブーの突破と祝福されない創造の物語
抑圧された魂の叫びは、時代を超えて息づいている。

出来事だけ見れば、メアリーの若気の至り的な失敗談(当人にとっては大問題)だし、主人公以上に救いの無い人達もいる。
しかしメアリーは[人間の傲慢さ]と[顧みられる事の無い残酷さ]とその結果がもたらす悲劇を通して[人間の魂の尊厳]を結晶化し、後世に多大な影響を与える作品を創造した。
これは人類の精神ステージを1段階押し上げたと言っても良いのでは?
発明ラッシュの19世紀は、こうした[精神的な革新]もあったんですね〜…

21世紀の私たちはどうだ?🫢