鰹よろし

北の桜守の鰹よろしのレビュー・感想・評価

北の桜守(2018年製作の映画)
3.3
 突如舞台(演劇)パートへと切り替わるのに違和感が付き纏ってしまうのだが、戦争という“動”をただ語るだけで済ませるのではなく、てつさんの心象風景として閉ざされた記憶を示唆させながら、人間の身体の動きによって人間が織り成す動きによって彼女の心の“動(動揺)”をも表現しようとする試みは評価できると思う。

 てつさんの閉ざされた記憶へのアプローチとして、カメラという確かに存在した瞬間を記録するアイテムが1つ用いられているが、この記憶と記録のリンクを頭では覚えていなくとも身体が覚えている…身体に刻み込まれているものがあるとして起点とするのも見事だった。
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