ある日突然夫に若い男の愛人と駆け落ちされた美しいエルヴィラは、彼らの行方を探しつつ支払いや生活費を工面するために、友人の葬儀社で参列者のサクラの仕事を始める。
あらすじだけみると夫最低！ってなるところですが、このエルヴィラ、とにかくヒステリックで見栄っ張り。
仕事の斡旋や彼らの捜索で周りの人間に頼るものの「ワケを教えて」と言われてもヒステリックに喚き散らす、もしくは嘘を並べ立て、決して「夫が愛人と逃げた」とは口が裂けても言わない構え。
夫に逃げられるも二人の子供を抱えながら前を向いて生きる強い女性を描くと見せかけて、ほぼ出てこない夫の姿をありありと想像させる見事な構成。
ラストシーンも柔らかい表現ながら超強烈な皮肉。
(せいぜい)負けるな、エルヴィラ！というかんじの強烈なブラックコメディでした。

【2018年103作品目】
邦題がふざけてると思って観たら、ラストにはタイトルどおり"負けるなエルヴィラ"って感想だった。
ある晩買い物に行くと出ていったっきり帰って来ない夫グスタボ。
実は夫は隠れゲイで、男と駆け落ちした事を知った妻のエルヴィラは幼い２人の子供たちを隣人に預け、夫捜しに奔走する...。
中盤から登場するエルヴィラの足係(都合よく利用される)リカルドについてもネタばらしのようなひねりがあって◎