そーた

ナッシング・トゥ・ルーズのそーたのレビュー・感想・評価

ナッシング・トゥ・ルーズ(1997年製作の映画)
3.9
行って帰る話

僕がまだ中学生くらいのときに、コメディアンと言ったら、ジム・キャリーとかエディ・マーフィでした。

この人達の代表作を撮った監督にスティーブ・オーデカークという人がいます。

エース・ベンチュラとかナッティー・プロフェッサーの監督をした人ですね。

そのオーデカークの抜群のセンスがいい具合に光っている作品がこれなんです。

妻に浮気された男と間抜けな強盗二人のロードムービー。

ティム・ロビンンスとマーティン・ロレンスの組み合わせがとても斬新です。
物静かなやつとお調子者コンビ。

2人の凸凹感がいい具合に互いの個性を引き立てていて、
見ていて気持ち良いのなんの。

クスクスと微笑ましい雰囲気がすごく心地よい。

僕が一番好きなシーン。
ティム・ロビンンスが足に火を付けて踊り狂うシーン。

そこまでの、持っていきかたがね、
もう最高です。

マーティン・ロレンスも悪いやつなんだ。
大爆笑しながらビデオなんか回してさ。

そして、そのシーンでスキャットマン・ジョンの曲を使うセンス。

いやいや、オーデカークは天才なんだ。

でも彼、
せっかくのいい雰囲気を後半ぶっ壊しに来ます。

まさかの、本人登場。

そのシーンがね。
映画史上類を見ない無駄シーンなんだ。

笑った笑った。
俳優二人も唖然としてましたよ。

そうして、いよいよクライマックスへ。
凸凹コンビ、運命の瞬間。

最後はそう来るか、いやそう来てほしかった、いやいやそう来るしかないだろと、やけに納得納得。
誰もがニヤニヤ顔になるそんなオチでした。

人が出会って仲良くなって。
けんかして泣いて、笑って。

人と人との間柄が親密になっていく様子を抜群なセンスの笑いで彩ったような、そんな映画。

人に薦めたくなる良い作品。
そーた

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