生まれつきの不幸を払拭させている猪突猛進型の女性（辰巳ゆい）が、訳ありの痴漢男（小林愚太郎）と一緒に、10年前の日本へとタイプスリップしてしまう。タイムスプリッターの自己実現を喜劇調に描いている、オーピー配給のピンク映画。

白痴的なデタラメ思考をもつヒロインがひたすらボケ倒し、相方が「ナントカかよ！」「ナントカじゃねぇし！」とツッコミを入れる。日本映画の一番恥ずかしい部分をノンストップで見せつけられる作品。全編にわたり、赤面レベルの鑑賞を強いられる。

しかしながら、「痴漢行為から得られるエクスタシーの力でタイムスリップする」というモチーフ自体は魅力的であり、その手段を知っている人物たちがアレコレと頭を使いながら、元の世界に戻ろうとする展開が面白い。

痴漢電車のセット撮影が洗練されており、ゲリラ撮影を彷彿とさせる臨場感に溢れている。ゲリラでは不可能だった描写を徹底的にやりまくってくれる。

記録 Mar.35
2022-140