みじんこ

マザー!のみじんこのネタバレレビュー・内容・結末

マザー!(2017年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

2021/03 CS録画。郊外の家に住む夫婦のところに次々と訪問者が来る話。
宗教メタファーのある「精神追い詰められ系映画」だと思って観賞して「好き!」ってなったんですが、観賞後に軽い気持ちで検索したら、

夫=神
妻=地球
妻が産む子=イエス
その他:アダムとイブ、カインとアベル、ノアの方舟など
を表しており、映画の舞台は天地創造の6日目から始まり最終的には「環境問題(放火=地球温暖化)」を訴えている。

という解説を見つけ「ええ…」となりました。その解説は知らない方が良かった。調べたのは自分なんだけど。何と言うか、そうなると映画内の事象がすべて急に説教臭く感じられて胸焼け感。
監督の発言(天地創造の6日目から始まると明言したり「森林火災を理解するのは難しいから家庭内の出来事として描いた」というような発言もしているらしい)からすると、きっとその解説が正しいんだろうと解説自体には納得するんだけど、この映画に納得出来なくなる。聖書までは「なるほど」と思えても環境問題までいくと、うーん…。大事な話だとは思うけど…うーん。怒った地球が自ら放火するのが温暖化と言われても…。あと、それだと「地球=マリア」にならない?そんなのはいいのか。

観賞中は、
夫=抗えない運命のような神のような(ちょっと手塚治虫の「火の鳥」っぽい存在)
子=現実と自分を幸福な形で結ぶもの
訪問者=現実
黄色い粉=避妊薬(現実との遮断)
家=自分の理想だけで出来た世界
というようなふんわりした感じで精神世界の話だと捉えていました(なんか家から出たくなさそうに見えたので殻の中に閉じ籠っているとかそういう話かと思った。何なら序盤はジェニファー・ローレンス自身が胎児かとすら考えた)。環境問題か…。

とは言え、映画鑑賞体験としては面白い体験でした。この監督の『ブラック・スワン』は正直全然ピンとこなかった事もあり(精神薄弱な感じはしたけど物足りず、週刊誌を読んでるような下世話な感じもした)、「環境問題を訴えている」とかいう事を考えなければ、『ブラック・スワン』よりも好みです。