このレビューはネタバレを含みます
気になっていた作品。
特に観るものに強く訴える邪悪なジャケットが。
最初安部公房の『友達』みたいな話かと思ってたら、相当難解に。
宗教を意識した物語であることは後半薄々わかるものの、感想や批評を読んで、ああ成程、という感じでした。むしろ、より純な、公式のような、抽象を扱っていて、人によって信仰なりナショナリズムなり恋愛なりジェンダーなり自己と他者なり、好きに読み取れる内容に感じたり。(彼が一神教的な神ならば何故妻、ないし家を作り出すのか実感が沸かなかった。)
とはいえ観てる間は主に、前半の緊張感ある不謹慎なドラマと、後半の飛躍した世界観を素直に受け取り楽しみました。DVD特典の製作風景をみても、ジャンルレスな感じは狙ったものみたい。
『母よ!』。
敢えていわば、それは、誰からも相手にされない宿命のものを相手にしようと格闘した映画のような。そんな印象。