Hario

マザー!のHarioのネタバレレビュー・内容・結末

マザー!(2017年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

Noah以来のアロノフスキー監督作品、ジェニファー・ローレンス主演となれば、楽しみにしないわけない!

映画祭での賛否両論、アメリカ人を怒らせた、Rottenの評価… めちゃめちゃ問題作扱いになってるよ。挙句、日本公開中止という気になり過ぎる内容にトレイラーも記事もシャットアウトしていたら、アメリカではもうBlu-rayになっていってDVD Fantasiumで購入可能という情報を頂き、早速注文(以前、町山智浩さんのPodcastでFantasiumのことは知っていたけど利用する機会が訪れるとは)。

…うん。納得のヤバさというか。ずっと不快なんだけど、なんなの!ジェニファー・ローレンスが感じている不快感、戸惑い、不信感を強制的に観てるこちら側にも感じさせてくる。嫌すぎる。

そしてラスト30分のカオスっぷりは一体…!?不快感がマックスに。もうその頃には、これは一体どういう意味なんだろう???全然わからないぞ。さぁ、ひとつひとつ謎を紐解いていかなくては。

とりあえず初見ワケがわからんと思いつつも抱いた感想は、、、

女は女として生を受けたら子供持ちなさいよと他人から言われ、子を宿し産んだらそれを奪われる恐怖を抱え、母親になったらなったらで何か責められることが増えるという男性優位社会(男性がという意味ではなく、男女共にそうした社会を当たり前と考えて女性も男性が優位と思っている社会)が女苛めすぎやろ!?ってことを言いたいのかなと…。

家が荒らされるのは、女が長い歴史の中、凌辱されずっと搾取されっぱなしということの比喩表現なのかしら。描写は酷いけどショッキングな作りでダーレンは21世紀の今も搾取され続けている女性の在り方を描いてるのかなぁーーーー。

"What hurts me the most is that I wasn’t enough."この台詞なんかそういう意味ではゾッとするんだよ。

自分の感想が固まったところで、読まずに取っておいた記事や他の方のレビューを見てみると、、、、

キリスト教、聖書、天地創造、母なる大地、気候変動…。

うん。私の見解は全然違った。笑

キリスト教についてはーーー
あー、アベルとカイン!じゃあアダムとイヴ?天地創造ふむふむ。皆さん博識で勉強になる!

環境問題は最初???ピンとこなかったけど、下記の記事を読んだらなるほど。そう思って再度観るととても泣けてくる。私たちって地球を凌辱しているんだ。分かっているのにやめようとしない。

https://movie.smt.docomo.ne.jp/article/1094326/

https://www.google.co.jp/amp/www.indiewire.com/2017/09/mother-darren-aronofsky-explains-mythology-allegory-bible-jennifer-lawrence-1201877848/amp/

それにしてもアロノフスキー監督って今作でも『ブラック・スワン』でも『レクイエム・フォー・ドリーム』でも女性を追い詰めているんだけど、何かあった?


傑作!とか 好き!とか おすすめ!とか
全然言えないけど、何を描いているのか分かって観た方が無意味な嫌悪感は抱かないかもしれない。

ストーリーの不快度は凄いけど、ジェニファー・ローレンスのきめ細かい演技とそれにぴったりと張り付くカメラワーク、緊張感を煽る微かなサウンドデザイン。何か極上のモノを観ている感覚にはなる。

Blu-rayにはメイキング映像やインタビューも入っていて充実!
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