せびたん

マザー!のせびたんのレビュー・感想・評価

マザー!(2017年製作の映画)
3.6
これって…
コメディってことでいいんでしょうか?
尺が2時間もあったのにおもしろく観れました。うん、私にはコメディっぽかったです。

予備知識がちょっとだけあったんで初見である程度飲み込めました。ひとり目のゲストの脇腹の傷のところは、20分後くらいに意味に気づいて爆笑しました。
あ、そういうこと?って感じでした。

話の進み方は家庭内に他者が理不尽に入り込んでくることによる不条理さと妻の困惑・怒り・精神的な疲弊をコミカルに(と私には感じられましたが)描く感じなんで、特に前半はそういう安部公房的な不条理劇に思えました。心理学的には家は自我の象徴ですので、不条理から自我を守る妻の闘いの話としても楽しめます。

一方で妻が飲む謎の液体は黄色かったですが、キリスト教世界では黄色は悪魔のシンボルであり、裏切りの象徴であり、ユダの色とのことなので(私調べ)2回目観ることがあったらそのへん注意しながら観ようと思ってます。
またガマガエルはキリスト教世界では悪魔の象徴なので、それが地下室にいたということは、地下室はそういう場所として描かれてたんでしょうね。

また、誰かが家事をしたり家のメンテをしてる様子はとても魅力的だなと。美しいなと思いました。
これは『青いパパイヤの香り』を見た時も『TOMORROW明日』を見た時も思ったことではありますが。男尊女卑的思考の結果そう感じるのではなく、家事する姿を通して愛を感じるからです。



ということでひとまずレビュー終わります。
以下、ネタバレっぽい雰囲気あり。ご注意を。











妻の立ち位置がよく分からなかったので他の方々のレビューを読ませて頂きましたら、監督自身が妻はマザーアースだと言ってるらしいと分かりました。しかし私としては違和感ありありでした。聖職者とか敬虔な信者や預言者全体の象徴なのかなって思ってましたので。

映画監督は人を煙に巻くためにたまには適当なこと言っちゃったりもするんだろうなと思いつつも、タイトルがマザー!なんだからそうなのかもなと思いました。どっちやねんっ!

とりあえずは素直にその方向で考えてみますと、最後にマザーアースと神が対立するってことは創造論と進化論の対立なのかな、と思いました。それは神の創造物であるはずのマザーアースの反乱・裏切りの物語ともいえそうですし。

というのが初見での気付きです。
何回も観て解き明かしたい映画でした。
なんか解き明かせないように作ってあるような気もするのですが。そのうち。
せびたん

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