旧作ファンである私は、ためらったり遠回りしたりしながらやっと本作鑑賞にたどり着きました。
ですが事前の想像より、ずっといい気分で見終えることができました。
旧作には謎だけど妙な説得力と背徳的な美学、さらには歪んだ知性を感じさせる変態としか言いようのない異物感がありましたが、本作は注意深くそのあたりを修正してました。とりあえず旧作へのリスペクトも感じました。そして、まあこんなもんだろうなという範囲に過不足なくまとめる能力の高さが印象に残りました。チャットGPTに旧作をインプットしたら、こんなふうに変えてくるんじゃないかなって感じの映画でした（←訳わからん喩えで申し訳ない）。
とりあえず映像綺麗だったし。
それっぽいホラーな雰囲気出てましたし。
そこそこ気分転換できたのでアリだなって思いました。
明らかに作り手が意図してたことだと思いますが、登場人物の行動がかなりおかしいので、ツッコミ入れながら見れる楽しさもありました。ここ、私の中では評価高いです。話の成り行きで探偵役となるカップルがどうしようもなくヤバい雰囲気出してたのも楽しかったです。「ミッドナイトクロス」（デパルマ作品）を思い出しながら見れました。あれもリメイクすればいいのにな。
もし現実世界で万が一ごく普通の人間が探偵役にならざるを得ない時、きっとこれと似たようなことになるよねって思いながら見てました。そして探偵役の素質がゼロどころかマイナスなのにもかかわらず、愛する弟を探すために頑張る姉の姿に心を打たれました。「死霊のはらわた」の姉弟関係を連想しました。あとピンヘッドがおっさんからお姉さんに変わってました。
