レンタルでやっと観た。
端的な印象としては、不快なもののオンパレードで、悪夢のような作品だった。
己のテリトリーが侵害されると誰だってイヤなはずだろうとは思うけど、聖人のように開けっ広げに他者を受け入れる人がいれば、何のためらいもなく土足でずかずかと入り込んでくる人もいるわけで、バランスをうまくとらないと当作のようにカオスに陥るぞ、という警告なのかな。
ひらけた場所にポツンと建っている家は、世俗を断った隠れ家でありながらもどこからでも攻め込まれてしまうという弱さも併せ持つ。そこに強烈なエサがあれば欲にまみれた獣たちに蹂躙されるし、類稀なる神性があればそれに救われたいと願う人を寄せ集めてしまうわけで。
孤独に生きようとする人と、人にすがって生きようとする人の対比。
一方でループする破壊と再生の物語でもあり、胸糞悪いファンタジーとも言える。一体もう何周目なんだろう・・・
さらには母性と父性のぶつかり合い。
綿密な脚本作り、長期間に渡るリハによる俳優陣の演技力、不安定で緊迫感溢れる絵作り、こういったところはとてもスゴイなあと。
クソな話に拍手だが後味悪し。
ラース・フォン・トリアー監督の「ドッグヴィル」と似てるかな。「ドッグヴィル」の方が溜飲を下げられる終わり方である分マシかもw