スピルバーグ初期のテレビ映画の中ではやはり『激突!』がダントツな感じはするが、本作の中々好き。
savageというテレビのコメンテーターが自身の名前を題したニュース番組をやっていて、冒頭はそのニュースが始まる数十分を緊張感と共に映し出す。
ここのタイトルインがとても良く、ラストとも共通しているのも粋な演出だ。
話はスピルバーグの後期の作品群に近いポリティカルな内容になっているのだが、やや在り来りではある。ただとことん演出がよく、極めつけスタジオでのシルエットのシーンだろう。影だけの平面化された画の中で、巨大化して近づいてくるヒットマンの影。それは正しく権利者と消される女性の構図に重なる。見事だった。
スピルバーグとしてはあまり乗り気な作品ではなかったそうだが、『ヘキサゴン』よりは面白い。