空剃

ハウス・ジャック・ビルトの空剃のレビュー・感想・評価

ハウス・ジャック・ビルト(2018年製作の映画)
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たぶん難しく考えなくて大丈夫です、人殺しの男が地獄に落ちるっていう話です。
殺人鬼の頭ん中とかは我々に理解しようがないしできるわけない。
とにかく芸術という言葉が都合のいい言葉に成り下がっていた。
この主人公は建築家という夢がありながら芸術を産む力が抜けてる。怒りに身を任せ人を殺してしまったのをキッカケに芸術と称して人殺しを正当化しようとしてるようなつまんない小物です。
頭のおかしいオッサンが人を殺すだけの...そんな話を2時間半もやるのかよ!
常にわけわからんこと言うオッサンのクレームを聴き流すように「はぁ...」「ふーん...」「...あぁ」みたいな感じで時間が過ぎる。
トリアー監督が自分に近い人物を描いたらしいがそれが「殺人鬼」ってそれは拗らせてるよ...無理がある。
死体材料を使って建てた家が芸術性なさすぎるのがやばい、幼児がクレヨンで描いたような家のデザインで悲しい。
料理に例えると料理が苦手なヒロインが作る材料がそのままの失敗したエグい料理みたいな感じ。芸術家気取り、才能無いんだ...ジャック。
その悲哀が漂ってた、そういうとこが好きな人には好きなのかも。
何、どういうこと?って思いながら観てたけどこれはトリアー監督が自分自身を主人公に投影して、やりたいことやって見せたいものを見せてる、自分語りなんだろう。
最初に殺される女性の見せ方から俗悪ですね、女のウザさで観てるこっちとジャックをまずシンクロさせて殴り殺すところが、バイオレンスな映画は好きなのですが、悪趣味すぎます。好きな人の側の率直な気持ちもわからなくもないですけど... 笑いの感性にも本当に愛嬌が無くて鼻につくというかソドムの市とかを観た時に同じこと思いましたがこれを好きと言ってしまうと自分のポリシーというか何かに反する気がしてしまうのです。いけ好かない感じ。
ユアサーマンのやかましい女は良い演技でした。

最後のエピソードの映像は好きで観れる。
凄くわかりやすかったけど監督はタルコフスキーが好きなんだね。良い影響だと思いました。

音楽、歴史的な映像を継ぎ接ぎすぎるのが単純に面白くない
我慢して観てフラストレーション溜まって長文になりました。
こんだけ書いたらもう一回観たくなる。
エンディングは急に明るくて、嫌われ者が考えた自虐の歌っぽい。


自分だったらピザ食いまくって最高の気分になって重ねた空箱で家作ってみたりして芸術とか言ってるのに、かわいそうだ。
ジャックはピザの冷凍倉庫の使い方を間違えた。
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