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ハウス・ジャック・ビルトのSSDDのレビュー・感想・評価

ハウス・ジャック・ビルト(2018年製作の映画)
2.6
■概要
脅迫性障害を持つ潔癖症の男が、ひとつのきっかけで怒りを爆発させ衝動的に殺人を犯してしまう。
その後シリアルキラーとして数多の人間を殺害する12年の告白という形でランダムな出来事を語っていく…。



■感想(ネタバレなし)
ごめんなさい、私の感性には序盤があまりに苦痛で早送りすらしたくなるほど堪え難かった。中盤で見どころと後半は面白い絵がありましたが…人に薦められるほどのレビューが書けませんでした。






■感想(ネタバレあり)
前情報なしに観ましたが、私の中で"観れない"映画のダンサー・イン・ザ・ダークやウィル・ドックの監督だったのか…あまりに女性が不条理にずっと主役として踏み躙られたり、嫉妬とかドロドロしたものを観るのはスプラッターやどんなホラーより怖いんです…。あーどうりで感性が合わないというか生理的にきつい…。

殺人鬼としてのポリシーというかジャックの狂気の根源みたいなものがどうにも関心が持てず、何を観せられているだろうという感じでした…。

中盤で洗練された戦闘機の設計に組み込まれたサイレンが、戦の開始時の角笛という戦時に恐怖心を煽るための行為と同意たるとしてジェリコのラッパと呼ばれていた下りなどは面白く、古くから死に関わる考察をジャックが知識として吸収し興味を持っていた点は面白かったです。

あとは終盤の地獄の表現はやっと芸術性とやらを表現され始めたと感じましたが、それまでの描写やジャックの所業に比べてあまりに緩く、贖罪とも呼べるものではないしだからなんだよ。

大鋸まで刈り取られたのはジャックでしたとでも言いたいのかなと捉えましたがもはや割とどうでも良いなと思いました。

ではアメリカン・サイコを観た時とどう違うのか?

芸術性だのサイコを深掘りしようだの高尚ぶったうんちくやらミームを入れて、聖書だの色んなものを散らしましたと、不快な鼻にかかるような"センス"を見せつけてくるのと違ってストレートにサイコパスという人間が一定量いて、その中に殺人者もいるということを描いているのがアメリカン・サイコです。

その中に社会的に地位を得ようと、見た目も華やかに生きる人間の中に一定量いる闇を皮肉として描いているだけなのが、まだ潔いと感じますね。

とまぁ観終わるまで三日もかかってしまったので若干恨み節もありつつ、精神衛生上よろしくなかったのでなにか違うもので口直ししたいところでした。
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