たく

ハウス・ジャック・ビルトのたくのレビュー・感想・評価

ハウス・ジャック・ビルト(2018年製作の映画)
3.8
サイコパスであるジャックの身の毛もよだつ所業を、彼の脳内神父との禅問答を通して5つのチャプターで見せていく。
「悪の教典」「キラー・インサイド・ミー」とかと同じ系列だね。
マッド・ディロンが最高のハマり役。

残酷に次ぐ残酷シーンにも関わらず、映像が驚くほど丁寧に作ってあって見応えあったね。
前に出たシーンが何度もフラッシュバックするゴダールみたいな演出も良かった。
トリアー監督あまり好きじゃないんだけど、本作でちょっと好きになったな。
グールドのパルティータ2番の練習シーンが繰り返されて、まるでグールドがサイコパスみたいに見えてくるのにはオイオイと思った。

最初のユマ・サーマンがすごい嫌な女で、ジャックがぶちかますところで不謹慎にもスカっとしちゃった。
あとはもうひたすら残酷。
残酷の幕の内弁当。
特に3つ目の話はひど過ぎにも程がある。

笑っちゃうシーンも結構あって、死体をモデルにレイアウトしながら写真撮るとことか、針金使って笑顔の表情にするとか残酷を突き抜けて吹き出しそうになった。

建築技師のジャックが何度も家を建てては壊すの繰り返しで、最後にようやく納得する家に、誰が上手くまとめろと言ったよ(泣)ってなった。

エピローグが突然難解になって、地獄を訪れる途中の時間進行がものすごく遅かったり「メデューズ号の筏」みたいな絵画っぽいシーンが出てきたり、よく分からなかった。
エンドタイトルの選曲がイカすのと、文字が白黒逆転してネガになってたのが、ネガの中の光(黒)に真実を見たジャックと符合してて上手い。
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