Ryan

50年後のボクたちはのRyanのレビュー・感想・評価

50年後のボクたちは(2016年製作の映画)
3.7
意味なんてない


ストーリー
14歳のマイクはクラスのはみだし者。同級生からは変人(サイコ)扱い、しかも母親はアル中で、父親は浮気中。そんなある日、チックというちょっと風変わりな転校生がやって来る。


主演 トリスタン・ゲーベル
監督 ファティ・アキン



久々鑑賞。
やはり面白い。
かつて14歳だったすべての大人たちへ贈る、
疾走感と切なさがつまったロードムービー。
子供心に影響を受ける青春時代に物の見方や世界との交わり方、そこで影響を受けた事柄から将来への人格形成が成されていくわけだが、今作はそんなありふれた子供の悩みから着色し壮大に人生を見つけ直したような作品。
性の認識、友達との関わり、虚無感と見栄、子供から大人へのステップの踏み出し方が非常にうまい。
そのためこのタイトルの意味する「50年後のボクたちは」が切なさと期待で入り混じる。余韻がすごく、この後の展開や今後の未来について考える。
どこか懐かしい気持ちでありながら、子供の時に体験できなかった事や風変わりな友達との接触を思わず重ね合わせる。

映画的にかなり野心作で、切り抜き方が抜群に面白く、テンポの良し悪しに関わらずコミックを読んでいるような疾走感となんとも言えない現実の見定め方が面白い。
一気に現実に戻させる終盤の描き方は見事だろう。
キャストも表情豊かで彼らの50年後がとても気になる。

キングズオブサマー系映画の系譜だと思うので、風変わりな青春系が好きな方にオススメ。
Ryan

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