ゆず

ピザ!のゆずのレビュー・感想・評価

ピザ!(2014年製作の映画)
3.7
インドのスラムに暮らす幼い兄弟が、新しく開店したピザ・チェーン店のピザを食べたくて食べたくて、お金集めに奔走する物語。貧困の描写はなかなかにエグいし、冷たい大人や、恐いおじさんたちも出てくるが、酷い現実を逞しく生き抜く子供たちの姿にこちらが励まされる。
インド映画にしては90分と短めでダンスシーンもないが、格差・貧困の問題を爽やかに描いている。
富裕層の友達とは学校の柵越しにしか会話しないのが象徴的。子供同士で仲良くしていても、その間はハッキリと柵で仕切られ、学校に通える子供と、←|→路上(ストリート)のチルドレンとに隔てられている。

原題の காக்கா முட்டை(kaakkaa muttai)は英訳すると Cuckoo egg となり「カッコウの卵」だが、英題は The Crow's egg で「カラスの卵」である。本編の日本語字幕でも「カラスの卵」である。えっ…と、カッコウとカラスって同じ鳥だったっけ…?
さらに話をややこしくすると、カッコウは他の鳥の巣に卵を産み付ける"托卵"をやる習性があり、まさか托卵が何かの暗喩になってたりするんだろうかとか考えてみたがたぶんちがう。
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