風来坊

ロッキーハンサムの風来坊のレビュー・感想・評価

ロッキーハンサム(2016年製作の映画)
3.5
最愛の妻を亡くし過去を捨て、ひっそりと質屋を営む男。薬物中毒の母を持つ近所の少女が残虐なギャングに誘拐された事で、男の中の野獣の血が呼び覚まし、少女を奪還するために死闘へと赴く。インド産のハードアクションバイオレンス。

韓国映画の「アジョシ」をインド映画がリメイク。ハードバイオレンスで陰鬱な韓国映画を陽気なイメージの強いインド映画がよくリメイクしようとしたなと興味があって視聴。

冒頭からインド映画らしさ全開の歌から始まりどうなる事やらと思いましたが、歌とダンス以外はまんまアジョシでしたね。主役は渋くてカッコいい。少女役も素朴感があって可愛い。悪役はオリジナルに軍配、リメイク作は怖さ迫力に欠ける。

ただ…どうしても陰鬱でハードな韓国バイオレンス映画には近づけない。どうしたって陽気なインド映画が出てしまうし、そもそも歌とダンスを止めないと陰鬱な雰囲気が出ない。回想シーンは長いし歌とダンスがテンポを悪くしている印象。こういう話しには歌とダンスは余計かなぁ。

エンジンがかかるのが遅い印象ですが、アクションシーンはキレがあって迫力があります。特にナイフ捌きは圧巻。物語も中盤に差し掛かる辺りでタイトルが出るのは斬新。物語の展開にスピード感が無いのはネック。

溜めに溜めただけにクライマックスの爆発力はなかなか。暗いバイオレンスアクション映画にも手を出すインド映画の新しい風は確かに感じました。ラストシーンはこちらの方が良いし、釘打機のシーンなど主要シーンもちゃんと再現出来ています。好評価が多く確かに良い所もあるのですが、個人的みは単純に韓国映画のリメイクはインド映画には合わない印象。

やっぱり暗さがアジョシだと思うし、やっぱりウォンビンのカッコよさには勝てなかった…。
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