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ガールフレンドデーのgeminidoorsのレビュー・感想・評価

ガールフレンドデー(2017年製作の映画)
4.1
とても楽しく観れた。
1h15分で端折ったにしては、面白く観れた。ソウル・グッドマンことジミーことオデンカークだから観た。私もまたソウルロス或いはジミーロス。
初め、なんだジミーまんまじゃんっ!と観ていたが、だんだん関係なく惹き込まれている自分だった。今の時代に視点がいいナと思ったし。

各人同士の会話内、固有名詞や表現(言い回し方)にいちいちシュールなシャレがあり、独特なユーモアの視点は静かに笑えた。
例えば一度だけ会話で明かされる会社名が "AAAAA社"だったり。どんだけAなのさ!こういった感じ、くだらないけどひねたギャグ好きなんだナ私。



カードを贈る習慣を持たない私達の国民性ではあるが、言葉に拠るこだわりや託す想いは国柄や時代で質は変われど、必ずや存在する訳で。
唯、日本語の細かいニュアンスや数多い表現や単語は今や益々日常使われなくなり、詩や短歌や俳句は専門や趣味の領域に留まりがちではないだろうか…下手したら詩を読む、詩が好き、詩を書いている等と口にしたらば、集団の中では浮いてしまったり、"気取り屋"と烙印押されたりね。

規制品のカードを選んで贈れば良いと思う訳じゃあない。
私自身はやっとこさデジタルやネット社会で生きながらえているだけだが、やはり仕事でもプライベートでもパソコンやスマホで済ませている。自然相手の第一次産業なのに、実作業以外の管理事務や日々のやり取りにはタイミングやスピードが一番に要求される。
たまに文字を書く場面では、いかに自分が書けなくなっているか驚くこと度々だ。

人生で何回も大移転を重ね、色々あった内に
昔のカードや手紙の90%位は捨てたり失くしたと思う。
然し、ほんの少しの大切な物を入れた缶カンの中に、たしか数枚位かな、捨てられない紙切れがある。
その殆どが、一人娘が幼い頃にくれたメモみたいな紙切れだ。
辛い時代には、時々それを眺めて自らに気合いを入れ直したり。


話戻してー
本作では主人公はカードライターを辞めて自動車教習の教官の職に就て終わる。しかしながら彼の最後の作品が商品化され、皆それぞれがそのカードを贈り合い、幸を分かち合ったり(まぁクサいんだけどネ)そんな場面が映る。

カードがヒトを優しくしたり幸せにするんじゃない。
やはり、それまでやその時それ以降の関係性の中での切符みたいなものかも知れない。
カードや手紙や喩えメモでもいい…互いが会えずに独りで居る際に考えた(選んだ)行為(行動)が嬉しい訳で…

ま、そんなこんなを思い出したり考えさせてくれた本作は、実際は"低予算。非現実な設定。ある意味チープなB級短編"かも知れない。
だったとしても、関係ナイ。
私には"良い作品"と胸に残った。
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