bibliophage

最低。のbibliophageのレビュー・感想・評価

最低。(2017年製作の映画)
3.4
「最低。」このタイトルのインパクトは凄いですね。誰が?あるいは何が?最低なんだろうと考えながら見ることになります。そして「。」はその最低な状況に終止符を打つ、という映画なんだろうという想像してしまいます。

この映画の原作は紗倉まなさんというAV女優さんが書かれているとのこと。そういえば綾瀬はるか主演の「奥様は、取り扱い注意」の1作にを思い出しました。ご近所の奥様、実はAVに出演したことがあって、ご近所さんから「出て行け!」「風紀が乱れると」、家に落書きされて、って話でした。AVに出演というのはネガティブな印象があるということだと思います。この映画はネガティブの終止符を打つのかな?というのが見る前に思っていたことです。

冒頭、青のキャンパスに黄色い絵の具で絵を描いている一人の少女。「あやこ、ぐずぐずしないで」と5歳くらいの子供をつれて帰ってきた母親。青い部屋、旦那の寝顔を見る女性。AVビデオを見つける。女をAVに誘っている男。場面がころころ変わって、どの話がどこへ通じているのか混乱してしまいます。この混乱は映画半ばまで続きます。
平凡な主婦の橋本美穂、専門学校生でAV出演している彩乃、絵を描くのが好きで母親がAVに出演したことのある本間あやこ、この3人の場面が交わることなく、続きます。

見る前に思っていたのとは違っていました。感じたのが圧倒的な父親の不在。父親は病気病院で寝たきり、そして逝ってしまいます。旦那は何もわかってくれません。もしかして、最低だったのは、そして終止符を打たれたのは…

登場人物を理解して場面場面に切り替わりをわかって、2回目見ると感じることの多い作品だと思います。
bibliophage

bibliophage