プリオ

この世に私の居場所なんてないのプリオのレビュー・感想・評価

3.0
暇を持て余した孤独な女の悲劇なのか喜劇なのか、その過程が描かれている。

前半は主人公の女に感情移入できないばかりか、ノロいストーリー展開も相まって、少々イライラ。

でも、後半の展開で盛り返した。

そして、理解した。

そうゆうことか、と。

これは、暇や孤独が引き起こす惨劇を描きたかったのだ、と。

自分の生活に満足して生きていたら、もしくは忙しくしていたら、人は少々のトラブルや厄介事はスルーする。

しかし、この主人公は、この世界に居場所を持っていないがために、自ら危険に身を投じていくのだ。

まぁ、前提として、勝手に家に侵入されて気分が悪いといった「行き場のない怒り」みたいなのがあるわけで、気持ち自体は分からなくはない。

でも、ここまでの行動力、普通はできない。

やりたいと思っても、身の保身を重視し、行動には移せない。

だが、この主人公はそうはならない。

それは繰り返しになるが、暇、孤独、居場所がないことが、圧倒的な行動力を生み出すから。

これは一つの仮説だが、事件やトラブルを引き起こす、もしくは進行させていくタイプに今作のような主人公がいるような気がする。

自ら危険な世界に首を突っ込み、スリルショックサスペンスを味合うことで満足感を得たり、自分の居場所を見つけることで安心感を得るために、突き進んでいく。

生きがいを求めて、ここではないどこかへ・・・。

果たして、主人公が居場所を探し求めた先にあるものとは?

ラストの顔に注目です。
プリオ

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