はみー

ゆれる人魚のはみーのネタバレレビュー・内容・結末

ゆれる人魚(2015年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

最初の1秒から最後までずっと好きが詰まっている夢のような作品。
どちらかというと映画というよりミュージックビデオを繋いだような感覚的な一本なので、なんじゃこれってなる人はなるでしょう。私には好みドンピシャでしたが…モヒカンでパンクバンド組んでるトリトンとか…
話の雑さや途中で訳の分からない展開(大げんかした家族が点滴される?とこ)もあってポカンとするけど、一貫して人魚が異形の者として、人間とは決して相入れないもののして描かれているのがいい。ちゃんと人間襲って心臓もぐもぐしてるし。
姉のシルバーちゃん(ブロンドの方・ややこしい)は一目惚れしたカレピと結ばれたくて声と引き換えに下半身スイッチ手術(これは天才的な手術シーンであり挿入歌も最高)を受けたのにカレピはびびって逃げちゃう上にかわいい人間の彼女を作ってあっという間にゴールイン、結婚パーティーに招待しちゃうという残酷さ。マジで人魚をバケモンとか家畜にしか思ってない人間の傲慢さが表れていてとても良いです。
そして姉にそんな仕打ちをした男に襲いかかるラストのゴールデンちゃん(黒髪美少女)の獣のような咆哮、拍手喝采のカタルシスです。この先何百年も一人で生きていかなければならないゴールデンちゃんの孤独を思うと拍手してる場合でもないんですが…
スターを夢見て都会に出てきた姉妹二人が搾取されてぼろぼろになり、一人はもう永遠に会えないところに行ってしまう、という話にも見える。
オシャレなセットだとかレトロ感ある曲とダンスとか、そういうのも魅力ですが残酷で普遍的な青春映画だと思います。
はみー

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