びらびらマン

赤線地帯のびらびらマンのレビュー・感想・評価

赤線地帯(1956年製作の映画)
4.2
ここは地獄か

戦後の日本各地に点在した売春を目的とする特殊飲食店街(=赤線地帯)を映し出した作品。

「ようこそ女の世界へ」といった感じで、したたかに、力強く赤線で生きる女性の物語が広がっています

この世界を「沼」「足を洗いたい」と表現していることから、明確に地獄として描いているのですが、だからこそ、そこで力強く生きる女性が人間としての輝きをより一層強く放ちます。

また、今の日本がこの作品と重なりつつある事に驚かされます。「パパ活」という名の売春行為が、貧困に喘ぐ若い女性の間で当たり前のように蔓延っている現代の日本は正直戦後と変わらないぐらい病んでしまっているのかもしれないと感じました

ラストは完全にホラー。10代が終わりを告げ、地獄に片足を突っ込む様子は「アメリカンスリープオーバー」のあるシーンを想起。