がぶりえる

赤線地帯のがぶりえるのレビュー・感想・評価

赤線地帯(1956年製作の映画)
4.1
女性のための女性映画

起伏はないけどずっと見てられる。基本会話劇。時代の潮流に抗って自分の足で立って生きる女性達。でもどうすることもできない彼女たちのどう仕様もない生き様をありありと映し出す。猥雑としたテーマを扱った作品でありながら、どこか品とユーモアを感じさせる上質な会話劇が心地良い。長くても退屈しない、センスと愛嬌を感じる台詞のやり取りが本当に巧い。観客に不快感を与えない様に配慮した会話のユーモラスさと、どう仕様もない徒労感の入り混じった不思議な感覚に陥る。退廃的ながらもなんだか心地よい様な、鬱っ毛な夢に陶酔してゆく気持ち良さに身を委ねた。