ビブリア古書堂の事件手帖という映画を観た。
まず驚きなのが、携帯でこの映画のタイトルを打ち終わる前に早い段階で予測変換にフルタイトルが出てくることだ。
余程人気コンテンツであることが伺える。
僕は原作を読んでいないため、ドラマ化された時も映画化された時も特に何も思わなかった。
しかし、この作品のレビューを見ていると原作ファンがたくさん居ることがわかる。
映像化するならもっと忠実に再現して欲しかったのだろう。
けれど僕は、小説を再現するのは不可能だと思う。
どんな作品でもそうだが、小説は読み手に任せている領域が広すぎる。
きっと読んだ人の数だけ、登場人物の人物像があるだろう。
だからこそ、最初から別物として楽しむべきだと僕は思っている。
とにかく、原作未読の僕的には充分楽しめた。
特に太宰治の作品を高校時代読み漁っていた僕にとっては、太宰治が物語に大きく関わってくる要素になっているだけでも少し嬉しかった。
こういう作品を観ると改めて感じることがある。
それは、一つを知ることは別のことも楽しめるようになるということだ。
一見関係のないもののように思えるものが見えないところで深いつながりを見せることがある。
映画を観るのに太宰治や夏目漱石などの文学の知識は必要ではないが、この映画はそういった知識が僅かでもあればより楽しめるし勉強にもなる作品だと思う。
こういったことが、この世界にはたくさんある気がする。
あとは、映画全体の空気感が好きだった。
そして、成田凌のこういう役をこれからもたくさん観たい。