鰹よろし

Xibalba シバルバ/エイリアン・オブ・マヤの鰹よろしのレビュー・感想・評価

2.0
 「100,000年後の安全」という放射性廃棄物の処分場であるオンカロについての作品がある。その作品によると、オンカロという施設がどんなものなのかというのを後世へと伝えるために、人類誕生から今日に至るまでの間に誕生した言語全てでその危険性を示唆しているという。正確には解読された文字か。あとはそういったニュアンスのものを描いているという…確か。

 仮にマヤ人が我々に伝えようとする何かしらのメッセージがあったとして、本当に人類の存続の危機に陥るような事態を招きかねない代物があった場合、「触るな危険」といったメッセージがあって然るべきではないか。時代を隔てて同一言語が誕生したことは歴史上無いというが、我々が解読できなくともそういった要素は入れてほしい。マヤ人に踊らされる現代人はわかるが、もう少し彼らへのリスペクトは観せてほしい。

 日本で言えば地名や神社・寺の存在でその土地が地理的にどんな場所なのかを伝えているところがあるが、そんなことは二の次三の次にいわば軽視する姿勢が昨今でも見られる。同一言語でも起きるヒューマンエラーの象徴だろう。それを下地に時代を越え文明や言語は異なりながらも、人類という共通の種として滅亡危機はどう扱われる(捉えられる)べきものなのか。この手の作品はこの辺りをガツガツ突き詰めていってほしい。


「地獄の変異」(2005)...「100,000年後の安全」(2010)...「サンクタム」(2011)...
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