風来坊

ラルゴ・ウィンチ 裏切りと陰謀の風来坊のレビュー・感想・評価

2.5
前作で父の事件を解決しウィンチ財閥の莫大な財産と権力は、ラルゴに受け継がれた。父の殺害の陰謀を暴いた彼は受け継いだ身に余る富と権力を嫌い、会社を売却して資産を自らの慈善事業に投資する事を決意する。その矢先、父に関する汚名が噴出しラルゴも窮地に…。ラルゴは父の汚名を晴らすため再び世界を股にかけ巨悪に戦いを挑む。


続編という事なので本国では前作がかなり良い興行成績を上げたのでしょうね。前作がまあまあ良く出来たいたので、今作には結構期待していましたが個人的には残念ながら前作を超える事は出来なかったなと思います。

前作よりも制作費はアップした事をうかがわせる感じで、前作では派手さがなかったアクションはパワーアップしており冒頭から迫力のあるカーチェイスシーンを見せつけてくれますし、後半の空中での戦いなどお金をかけた迫力があり切れのあるアクションを展開させてます。

しかし…脚本の出来は前作以下なので皮肉にもアクションだけが際立つ結果に…。前作も女優は大物起用でしたが、今回もシャロン・ストーンさんが出演してます。まあかつてのをつけた方がいいと思えるほど劣化が気になります…。「氷の微笑の」頃の面影はもはや皆無です…。

でも「氷の微笑」を意識してか足組シーンがやたらとあるんですが、劣化したおばはんの足組ではどうもなりはしませんし、なんか醜態をさらしてるようで観ていられなかったですね…。
最初はシャロン・ストーンさんが出てるなど知らずにみたので、どっかで観た事あるなぁ・・・って思ってたらシャロン・ストーンさんでした。

前作に引き続き回想シーンを多用した演出と時間軸をバラバラにした演出を多用してます。
前作はまあまあ効果的に作用してましたが、今回はテンポを悪くしてる感じがしました。


今回は亡くなった父の跡を継ぎラルゴの独り立ちが始まるのかと、思いきや相変わらず父の後始末をに翻弄されてます。
細かい設定や説明は省かれてるので、今作から観るのはあまりおススメしません。

前作同様ラストに捻りがが用意されてますが、前作に比べると詰めが甘く読めてしまいます。
だいたい黒幕が初回に登場したシーンでコイツは胡散臭いなと感じてしまうほど悪役臭がぷんぷんしてます。

まあ・・病気の設定だからしかたないのかも知れないですけど、ミック・ジャガー顔では嫌でも印象にのこってしまう・・・いやミック・ジャガーが悪人顔って訳じゃないですよ。

印象に残り過ぎてしまうというか、ここまで印象に残ると単なる脇役じゃないなと邪悪な心を持つ私は先回りしてしまうんですよ。
それにしても前回も言いましたが、主人公が強いのか弱いのかよく分かりません…。

目立つ事をすることで敵を作ると自分で分かっているんだから、もうちょっと格闘とか習えばいいと思う。
そうすればあの人もきっと救えたに違いない…。まあ窮地に追い込まれて反撃するという昔ながらのヒーロー像といってしまえばそれまでですが。

私の様に心が捻じ曲がった心をもっていると楽しめないのかもしれませんが、観る人が観れば良作サスペンスなのかも知れません。
しかし個人的には前作の方が面白かったと思います。
風来坊

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