このレビューはネタバレを含みます
坂本龍一の音楽には人間臭さが全然感じられなくて全然良く思えない時と涙出るほど良い時があって、それが分かった気がした。
たぶんこの人は人間を信用してない。
コンピューター黎明期から音楽にピコピコ音を取り入れて人間には不可能な音楽の可能性を探ってるし。
人間が作った何百年の歴史の調律を否定して津波に流されたピアノの出す音を信用してるし。
北極圏に行って音を釣ったり、雨の音だとか自然の音を愛しているし、良い音探しを心から楽しんでいるのが表情からわかる。
こっちまで嬉しくなってつられて笑ってしまう。
森で廃棄物を叩いたり、シンバルを弓で弾いたりして、何であんな音が出せるのか。物体の演奏の仕方が分かってるんだろうな。
あと、曲を作ってる時バランスボールに座ってるの。あれがすごくかわいい。人間臭さが垣間見えて。
でもあれも、自分自身の体力がもう信用ならなくなってるからやってるんだろうな。完璧主義というか、まだまだ作りたいものが沢山ある貪欲さがひしひしと伝わってくる。
どうか長生きしてほしい。
追記
今帰り道でiPhoneに入ってたasyncを聞いてるのだけど、前と音の聞こえ方が違う。ただ怖かった音がいい音に聞こえる。信用ならないクソみたいな自分の耳……笑