ヴぇる

アトミック・ブロンドのヴぇるのレビュー・感想・評価

アトミック・ブロンド(2017年製作の映画)
3.9
ベルリンの壁崩壊辺りの時代設定の映画としか前情報としか受け取っておらず、期待感は特になく視聴したが開始5分で心を奪われた作品になった。
バイオレンスかと思えばロックの音楽と控えめな色調と最高なセンスの画角とフレームワークのおかげで入り込むことは容易であり極上の2時間を過ごすことが出来る。

また、アクションシーンでの魅せ方は抜群であり、男と女腕力の違いからハラハラさせられるのも事実だ。
個人的にお気に入りなのは敵の首に縄をかけ窓から外に飛び出し階下へ移動するシーンだ。

やはり特筆すべきはシャーリーズ・セロンの演技だろう。状況に応じての些細な仕草は違うし見ていて飽きない。
加えていえば小物の扱い方が一流だ。1番はタバコだが、煙の扱いまでもが芸術の域に達している。

ただ、シナリオに関してはそこまで度肝を抜かれる程ではなく若干の安っぽさを感じてしまったのも事実だ。
これはある意味ほかの全ての要素が素晴らしすぎたため上手く噛み合わなかったためと思われるが、バランス的に非常に難しいのだろう。

総評としては、製作者側のセンスとスパイ映画としてのスペクタクル感が見事にハマった1作であり、ある意味『ビューティフルデイ』を上手く大衆化した様な作品だと感じた。
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